Iridiumの衛星が廃棄された衛星と衝突した事故で大量の宇宙ごみが発生、さらなる衝突の可能性も指摘されている。
米企業の商業衛星が、使われていないロシアの軍事衛星と衝突して破損し、宇宙ごみの危険性をめぐる新たな懸念を呼んでいる。米航空宇宙局(NASA)は「軌道上でこの種の事故は初めて」としている。
衝突は2月10日、低軌道上で起きた。米Iridium Satelliteの所有する衛星1基と、数年前に機能を停止したとみられるロシアの衛星がぶつかったと米政府と衛星業界関係者は語る。
事故により、シベリア上空約480マイル(772キロ)に宇宙ごみの大きな集合が2つでき、これを受けて宇宙科学者や技術者はさらなる衝突の可能性を検討している。
この事故は米国の宇宙関連の予算および政策に影響するかもしれない。その理由の1つに、米国防総省が、地球を周回する多数の宇宙ごみやほかの衛星を正確に追跡して米国のハイテク宇宙機器を守るシステムに、さらなる予算を投じるべく働き掛けていることがある。
軌道上に打ち上げられる衛星が増えるにつれて、衛星と宇宙ごみ、また衛星同士の衝突を防ぐという課題も大きくなる。また軍事計画担当者は、敵が妨害電波で米国の衛星を停止させたり、衝突させる可能性を懸念している。
業界関係者は、Iridiumは衝突したロシアの衛星を、1993年に打ち上げられたCosmosシリーズの衛星と特定したと話している。この衛星は重さ1トン以上で、原子炉を搭載しているという。衝突で核の残留物が飛び出す恐れもあるが、専門家は何年も前から、放射能を帯びた宇宙ごみが大気圏を通り抜けて人が住む地域に落ちてくる可能性は非常に低いと主張している。
現在、軍事衛星、偵察衛星、科学衛星に加え、220基を超える商業衛星が地球の周りを回っている。商業衛星はデータやビデオの送信から、ATM(現金自動預払機)およびナビゲーションシステムの支援まで、さまざまな機能を企業に提供している。
問題のロシアの衛星は、国防総省内の組織が監視していた。この組織は、軌道上衝突による企業や政府の衛星の損傷や破壊を防ぐために、宇宙ごみを追跡している。NASAと同省は、高速で移動する宇宙ごみを1万個以上追跡しており、その中にはフットボール程度の大きさのものもある。
Cosmosシリーズは偵察からミサイル警報システム、軍事通信の保護までさまざまな用途向けに設計されている。これまでにも多数の事故を起こしており、1991年には使用停止になったモデルが宇宙ごみと衝突したり、スペースシャトルと衝突しそうになったことがあった。1978年にはカナダの荒野に墜落した。
国防総省の関係者は、通常のサイズの衛星との衝突が差し迫っているのを見落とした経緯を問われることになるだろうと、Iridiumをよく知る衛星コンサルタントのティム・ファラー氏は言う。商業衛星は「小さな宇宙ごみとの衝突の可能性を避けるために定期的に位置を変える」という。
国防総省幹部、衛星業界幹部、NASA上層部は以前から、軌道上の宇宙ごみの危険性に対する懸念を公に示していた。だが、衛星と直接衝突する可能性は非常に低く、基本的に起こり得ないと考えられていた。比較的大きな物体を追跡するには、同省が利用している地上および宇宙の偵察システムで十分とされていた。
最近では米国と欧州の大手事業者が、不具合を起こした衛星2基から通信衛星を遠ざけるために非常事態計画を見直し始めた。
宇宙での衝突事故に対する懸念は2007年1月に、中国政府が古くなった気象衛星を単純な衛星攻撃兵器で破壊したことを受けて高まった。
NASAは、軌道上での偶発的な衝突の事例はこれまでに4件あり、たいていはロケットの部品や宇宙ごみの衝突だとしている。通常サイズの衛星が関係した事故はなかった。
寿命を迎えた衛星は、稼働中の衛星を脅かす可能性の低い遠い軌道上に置かれることが多い。だが衛星に搭載されたコンピュータなどのシステムに異常が生じたり、バッテリーが切れると、地上からコントロールを続けるのが難しくなることもある。地上からの命令が届かないと、衛星は数カ月にわたって予測不可能な行動を取る可能性がある。
Iridiumは60基を超える衛星を使って、世界中の約30万人の加入者に音声・データサービスを提供している。同社は、衝突のサービスへの影響は、バックアップがあるため「最小限にとどまっている」としている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0902/12/news091.html

米露の大型衛星同士が宇宙で衝突…大量の宇宙ごみ発生
日本時間11日未明、シベリア(ロシア)の上空約800キロ・メートルで、米露の人工衛星が衝突し、多数の破片が宇宙ごみとして散らばった。
米航空宇宙局(NASA)によると、衛星同士の衝突事故は、50年以上にわたる宇宙開発の歴史上初めて。NASAは、高度約400キロ・メートルを周回する国際宇宙ステーション(ISS)や、様々な衛星などへの影響を分析している。
衝突したのは、米イリジウム社が1997年に打ち上げて運用中だった衛星電話用の通信衛星と、ロシアが93年に打ち上げて運用を停止していた通信衛星。イリジウム社は、人工衛星66基を運用して、世界デジタル衛星携帯電話サービスを展開している。AP通信によると、イ社衛星は560キロ・グラム、露衛星は1トン近い重さだった。
NASAジョンソン宇宙センター(テキサス州)で軌道上の破片監視を担当するニコラス・ジョンソン氏は、「過去の経験からして、大きな破片だけでも数百個、小さな破片はもっとあるだろう」と推測する。
宇宙ごみとなった破片の大半は、衝突した2衛星の軌道で雲のように集まって動いているが、一部はより高い軌道や低い軌道へも飛散しているとみられる。
ただ、若田光一飛行士が間もなく長期滞在に入るISSへの影響について、ジョンソン氏は「真っ先に分析したが、極端な危険はない。(若田飛行士をISSへ運ぶ)次のシャトルにも影響はないだろう」と話している。
◆宇宙ごみ=宇宙空間に漂う衛星やロケットの残骸(ざんがい)。機能停止後の衛星では、大気圏に落ちて燃え尽きるまで高度600キロで30年、1000キロでは2000年かかるとされている。2007年には中国が人工衛星を破壊する実験を行い、大量の破片が発生して問題になった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a
=20090212-00000016-yom-sci

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