<ライブドア判決>堀江被告に実刑 懲役2年6月 東京地裁 証券取引法違反(偽計・風説の流布、有価証券報告書の虚偽記載)に問われたライブドア(LD)前社長、堀江貴文被告(34)に対し、東京地裁(小坂敏幸裁判長)は16日、懲役2年6月(求刑・懲役4年)の実刑判決を言い渡した。
事件では、前社長やナンバー2だった前財務担当取締役、被告(39)らLD元幹部5人と、監査を担当した公認会計士2人の計7人、LDと関連会社ライブドアマーケティングの2法人が起訴されたが、判決は前社長が初めて。前社長は捜査段階から一貫して無罪を主張していた。
公判では▽事件は前社長の主導か▽投資事業組合(ファンド)を介した自社株売却益の売上高計上は可能か▽前社長が粉飾を指示したとの宮内被告の証言は信用できるか――などが争点となった。
検察側は「宮内証言」は信用できるとしたうえで、事件はすべて前社長が主導したと位置付け、粉飾も指示したと主張。ファンドはダミーで、自社株売却益は資本に計上すべきで売上高計上は違法と強調していた。
これに対し前社長側は、ファンドには実体があるため、自社株売却益はファンドからの配当に当たり、売上高計上できると反論。宮内被告は自らの横領疑惑に捜査が及ぶことを恐れ、検察と取引して「堀江主導」を証言したと主張していた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a
=20070316-00000023-mai-soci執行猶予もなしですねぇ。これは控訴だろうなぁ、当然。。。堀江被告判決要旨 東京地裁 東京地裁が16日、前ライブドア(LD)社長堀江貴文被告に言い渡した判決の要旨は次の通り。
【事実認定の補足】
▽自社株売却益の利益計上
各投資事業組合はいずれも脱法目的で組成された。その存在を否定すべきであるから、実質的にはライブドアファイナンス(LDF)がLD株を売却したと認められる。
チャレンジャー1号はLD株の売却益をLDの連結決算で損益勘定とすることを可能とするなどのために組成された。VLMA1号、2号は、LD株を売却して、その売却益をLDの連結売り上げに計上するというスキームの中に組み込まれた組合で、会計処理に対する規制を免れる目的などがあった。
堀江被告は遅くとも2004年9月期決算を承認した同年11月18日のLDの取締役会までには、売り上げ計上の許されないLD株売却益を含めた連結経常利益を記載した虚偽の有価証券報告書を提出することを認識、認容し、元LD取締役宮内亮治被告らとの間で共謀が成立した。
▽架空売り上げ計上の故意・共謀
堀江被告は遅くとも04年9月期決算を承認した同年11月18日の取締役会までには、架空売り上げを前提とした連結経常利益が記載された虚偽の有価証券報告書を提出することを認識、認容し、宮内被告らとの間で共謀が成立したと認められる。
▽虚偽事実の公表
ライブドアマーケティング(LDM)がマネーライフ(ML)社との株式交換に関して行った04年10月の公表は、株式交換比率を1対1とする部分に虚偽があり、11月の公表もこの比率を前提に訂正しており虚偽だ。
比率が虚偽か否かは公表された方法で適正に算出された企業価値を踏まえているかで判断される。しかし今回の比率は、宮内被告らがML社の企業価値を1億円程度と評価しながら、無関係の合併手数料や架空売り上げを上乗せするなどして4億円として決定した。
▽虚偽事実公表の故意・共謀
堀江被告は遅くとも株式交換契約締結を承認した同年10月のLDM取締役会までに虚偽事実の公表を認容し、宮内被告らとの共謀が成立した。
9月上旬ごろの定例会議で合併手数料の上乗せを堀江被告が了承した。この認定に沿う宮内被告らの供述はメールなどで裏付けられる。
堀江被告は04年9月の戦略会議で、架空売り上げを計上してでも黒字化するよう指示した。
▽LDM株の売買目的
LDMの虚偽事実の各公表が株価の維持上昇などを図る目的だった。
弁護人は、株売却益の一部を個人的に費消した件を起訴しない代わりに宮内被告らが検察主張に沿う供述をする黙契があったと主張する。
検察官は捜査への疑念をぬぐう手続きを踏んでおらず、不公平感は理解できないわけではないが、宮内被告らの供述の主要部分は第三者の供述で裏付けられ、メールとも符合している。
【量刑の理由】
証券取引では個人投資家の自己責任が求められる一方、投資者に対する正確な情報開示は必須だ。各犯行は、証券取引法や東京証券取引所の情報開示制度の根幹を揺るがすもので、証券市場の公正性を害する極めて悪質な犯行と言わざるを得ない。
損失額を隠ぺいするような過去の粉飾決算事例とは異なり、投資者に対し、飛躍的に収益を増大させている成長性の高い企業の姿を示し、投資判断を大きく誤らせ、多くの投資者に資金を拠出させたもので、粉飾額自体は過去の事例に比べて必ずしも高額ではないにしても、その犯行結果は大きいものがある。投資者を欺き、その犠牲の上に立って企業利益だけを追求した犯罪で、目的に酌量の余地がないばかりか、強い非難に値する。
粉飾の手口は、LD株売却益を連結売り上げに計上するために計画され、実態はLDが新株を発行して払込金を売り上げとして計上して業績向上を実現しているに等しく、本来は発生し得ないところに利益が発生しているように偽り、見せ掛けの成長を装った。
しかも企業会計が十分整備されていない投資事業組合を悪用したもので、脱法を企図したことは明らか。架空売り上げの計上は公認会計士から粉飾の指摘があったのに意に介せずに強行し、強固な意思がうかがわれる。
犯行は最高経営責任者の堀江被告ら経営陣が直接主導するなどして組織的に敢行された。短期的な企業利益だけを追求したものであって、投資者への配慮といった上場企業の経営者としての自覚はみじんも感じられない。
堀江被告はLDMの架空売り上げ計上は前LDM社長岡本文人被告らに実行を指示、それ以外も宮内被告らからの報告、提案を受けて了承し、最終決定する形で関与したものであって、いずれも堀江被告が中心的な役割を担ったことは否めない。堀江被告の指示、了承なしには、各犯行の実行はあり得なかった。
加えて本件スキームの実行で株式の保有率自体は低下したものの、筆頭大株主たる地位は失わず、株式の時価総額も増大し、犯行の利益を享受している。現に株式を売却し、多額の資金を得ており、個人的利益を得るために各犯行を行ったとまでは認められないにしても、量刑上、看過できない。
さらに、自己の認識や共謀の成立を否定するなどし、各犯行を否認しており、メールの存在などで客観的に明らかな事実に反する供述をするなど、不自然、不合理な弁解に終始しており、株主や投資者に対する謝罪の言葉を述べることもなく、反省の情はまったく認められない。刑事責任は相当に重い。
LDMの架空売り上げの計上以外、堀江被告は宮内被告らの提案などを了承したにとどまり、各犯行を主導したとまでは認められないことなどを最大限に考慮しても、実刑をもって臨まざるを得ず、責任の重さに照らすと、主文の刑は免れないと判断した。
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