4月の統一地方選の前哨戦となる愛知県知事選と北九州市長選は4日、投開票された。愛知県知事選は、現職の神田真秋氏(55)(無=自民・公明推薦)が、新人で前犬山市長の石田芳弘氏(61)(無=民主・社民・国民新推薦)を小差で破り、3選を果たした。北九州市長選は、新人で前民主党衆院議員の北橋健治氏(53)(無=民主・社民・国民新推薦)が初当選した。与野党が激突した両首長選は1勝1敗となった。選挙結果は、与野党の国会攻防などに影響しそうだ。
愛知県知事選は、32年ぶりに主要政党の相乗りの構図が崩れた。
神田氏は、愛知万博、中部国際空港開港の2大国家プロジェクトの実績を強調し、堅実な人柄も評価され、自民、公明支持層を中心に幅広く支持を集めた。石田氏は、小中学校への「30人学級」導入などの教育政策や県政の変革を唱えた。終盤には、柳沢厚生労働相の失言を批判して追い上げ、接戦に持ち込んだが、及ばなかった。与野党の激突によって有権者の関心は高まり、投票率は52・11%と前回(38・91%)を上回り、28年ぶりに50%を超えた。北九州市長選では、北橋氏が、元国土交通省都市地域整備局長の柴田高博氏(57)(無=自民・公明推薦)ら新人2人を破った。投票率は56・57%で、前回(38・32%)を上回った。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070204it16.htm
北九州市長選の開票結果
北九州市長選
当 217,262 北橋 健治 無新〈民〉〈社〉〈国〉
177,675 柴田 高博 無新〈自〉〈公〉
56,873 三輪 俊和 無新〈共〉 (選管確定)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070204ia23.htm
愛知県知事選の開票結果
愛知県知事選
当1,424,761 神田 真秋 無現〈自〉〈公〉
1,355,713 石田 芳弘 無新〈民〉〈社〉〈国〉
160,827 阿部 精六 無新〈共〉 (選管確定)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070204ia22.htm
失言の逆風、猛威 「楽勝」一転、愛知薄氷
女性を「子どもを産む機械」と例えた柳沢厚生労働相の不用意な発言は、地方選挙にも飛び火した。4日に投開票された愛知県知事選では、自民・公明の推薦で3選を目指した現職の神田真秋氏(55)が当初「優勢」と伝えられたが、8日前に飛び出した失言が有権者の与党への反発を招き、終わってみれば薄氷の勝利だった。北九州市長選では民主、社民、国民新党推薦の北橋健治氏(53)に、自公推薦の柴田高博氏(57)が敗退。4月の統一地方選に向け、支持率が下がり続ける安倍内閣の悩みは尽きない。
4日午後11時すぎ、名古屋市中村区の神田氏の事務所に当選の一報が伝わると、支持者らが一斉に立ち上がり、歓声を上げた。間もなく神田氏本人が姿をみせ、「本当に厳しく激しい戦いだったが、みなさま方の力で見事に乗り切ることができた」と感謝を述べた。
この日の昼過ぎ、事務所は緊迫していた。「投票率が予想より高い。接戦だ」。愛知県内各地の自民党県議らの事務所に緊急ファクスを送った。「投票に行っていない人に声をかけるように」
1月29日に出そろった報道各社の情勢調査では、いずれも民主党などが推す石田芳弘氏(61)を大きく引き離していることが明らかだった。楽勝ムードを変えたのは、柳沢厚労相の「産む機械」発言にほかならない。
同月30日、名古屋市を訪れた民主党の鳩山由紀夫幹事長は「柳沢発言で流れを変えることができる。女性の怒りを全部、選挙にぶつけてほしい」とぶちあげた。
2月1日、名古屋駅前に民主党の小沢代表、社民党の福島党首、国民新党の亀井久興幹事長らが並んだ。そして民主党の女性議員11人。次々と訴えたのは柳沢発言への批判だった。
石田氏は、自身が目指したマニフェスト選挙にこだわりがあった。初めは「批判は国会議員に任せている。僕は僕の主張を訴えるだけ」。だが、潮目が変わったことにほどなく気づく。
「選挙はプロレスと同じ。弱点を突かなきゃならない」。沈みがちだった石田氏の表情が、明るくなっていた。
一方の神田氏の陣営は安穏としていた。「発言と知事選は別次元」と選対事務総長の高橋則行県議。柳沢発言の後も、幹部らに動揺はなかった。
陣営幹部の地元事務所には心配する支持者の電話が相次いでいた。「あんなことになっちゃって票が減らないか。大丈夫か」。陣営が危機感を共有し始めたのは、ようやく1日になってからだ。
「柳沢厚労相の発言は確かにけしからん。批判していい」。自民党県連の幹部が集まり、方針転換を確認。あえて身内を批判する作戦に転じた。ただ、神田氏自身は、問われれば柳沢氏を批判するものの、自ら柳沢発言を取り上げることはなかった。
選挙戦最終日。神田氏の事務所を訪れた自民党の中川秀直幹事長はいらだちを隠せなかった。
「柳沢氏本人も安倍首相も謝罪した。民主党や石田氏側の対応は、選挙目当ての党利党略としか思えない」
それほど追い込まれた選挙だった。
http://www.asahi.com/politics/update/0205/002.html
つんく・「モー娘。」呼んでも…与党敗北、北九州市長選
「ここまで追い込まれるとは……。柳沢氏の問題ともろに関係づけられた」。自民党執行部の一人は4日夜、愛知知事選で接戦に持ち込まれたことに驚きを隠さなかった。公明党幹部も「一時はダメかもしれないと思った。結果はよく分析しないといけない」と語った。
北九州市長選の与党陣営も事情は同じだった。候補者は元官僚。「そのまんま東ショック」も意識して、「なりふりかまわぬ無党派対策」(選対幹部)に打って出た。候補者は雪の残る市街地を半そでシャツにはちまき姿で走り、3日には音楽プロデューサーのつんくさんと「モーニング娘。」の元メンバーらを応援に呼んだ。
それでも北九州で負け、愛知で苦戦したことで、与党側は、統一地方選、参院選に向け、大きな不安材料を抱えた。その不満は「選挙の顔」を期待された首相に向けられ始めている。
「小泉前首相は胸にグサリとくることを言った。だから若者もしびれた。安倍首相には、それがない」。自民党幹部は4日夜、北九州で敗れ、愛知で追い込まれた責任は首相にある、との見方を示した。公明党幹部も「宮崎に続いて北九州でも届かない。全国的だ。小泉政治を見せられた国民にとって、安倍首相は少し物足りないのかもしれない」と語った。
http://www.asahi.com/politics/update/0205/006.html

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