プロ野球の日本シリーズは24日、舞台をナゴヤドームから札幌ドームに移して第3戦を行い、日本ハムが中日を6−1で降し、対戦成績で2勝1敗とリードした。
先制を許した日本ハムだが、中日先発・朝倉の立ち上がりを攻略。一回、小笠原の2点二塁打で逆転に成功すると、八回にも稲葉の3ランで加点。早めの継投で中日の追撃を封じ込めた。先発の武田勝は第2戦の八木に続き、新人投手のシリーズ初先発初勝利を記録した。第4戦は25日、同球場で午後6時10分プレーボール。
○日本ハム6−1中日●
投打のかみ合った日本ハムが快勝。一回無死一、二塁から、小笠原が左中間フェンス直撃の2点二塁打を放って逆転。さらに稲葉の右犠飛でリードを広げると、八回には稲葉がだめ押しの3ランを放った。武田勝は再三走者を背負うも、決定打を許さない粘りの投球。早めの継投で振り切った。中日は日本ハムを上回る9安打を放ったが、3併殺の拙攻が響いた。
▽日本ハム・ヒルマン監督 (北海道初の日本シリーズという)歴史の1ページに名を刻めたことがとてもうれしい。一回の森本の安打で打線に火がついた。早い回から得点する意図を、選手たちが実行してくれた。
▽中日・落合監督 ヒットが1本も出ていないわけではないんだからね。ベンチ(にいる監督の指示)が悪いということ。選手を送り出すのは監督なんだから。野球ってそうだろ。
▽日本ハム・小笠原 (一回の逆転打は)気持ちで打ちました。(八回の好守は)目をつぶったら(ミットに球が)入っていた。(八回の死球を受けた跡は試合後も)痛いです。
▽日本ハム・稲葉 (八回の3ランは)カーブをうまくすくえた。大事な場面で打ててよかった。
▽中日・ウッズ 武田勝? 普通の投手だった。変化球も、何の変哲もない普通のボールだと思うよ。
◇小笠原、逆転の適時二塁打…3番打者に待望の安打
右翼の一角を除いた観客席を日本ハムファンがグルリと埋めた札幌ドーム。大声援の中で、小笠原のバットが眠りから覚めた。1点を先行された直後の一回裏、無死一、二塁。中日・朝倉の直球をたたいた当たりは、左中間を破る逆転の適時二塁打に。プレーオフ第2ステージ(対ソフトバンク)から日本シリーズ第2戦まで16打席無安打だった3番打者に、待望の安打が出た。
「球種は覚えていない。先制された直後だったし、すぐに取り返せてよかった」
よほど、うれしかったのだろう。表情こそ変えなかったが、二塁上で「やったぞ」とばかりに、ベンチに向かって右腕を突き上げた。シーズン中はまずしない。苦しい時こそほど感情を表に出さず、黙々とバットを振ってスイングのぶれを修正するタイプ。期待に応えられないでいたイライラ、1本出た安堵(あんど)感を珍しく素直に表したシーンだった。

本塁打、打点の2冠王も、ポストシーズンでは重圧からか、安打が欲しいばかりにボール球に手を出し、凡退するケースも目立った。だが、この打席は違った。外寄り真ん中の直球を強引に引っ張らず、速い球足で逆方向へ飛ばしたのが何よりの証拠だ。
指名打者(DH)制の採用で、三塁から守りなれた一塁へ戻ったことも精神的に大きいようだ。八回には、一塁線を襲った井端の痛烈な当たりを横っ飛びで好捕。44年ぶりの日本一へ欠かせない男が、攻守に調子を上げてきた。【安藤由紀】

◇今季限りで引退表明の新庄にフラッシュの嵐
試合前のノックを受けるために新庄がグラウンドに飛び出すと、スタンドから一斉にフラッシュがたかれた。今季限りでの引退を表明しているスター選手の最後の雄姿をカメラに収めたいのは、中日ファンにも共通の思いだ。新庄のコンディションは決してよくない。古傷のアキレス腱(けん)は痛み、両太ももも張っている。それでも笑顔を忘れない。
これほど注目を集める男も、プロの世界に飛び込んだ当初は「田舎くささの抜けない青年でしたよ」と前オリックス監督の中村勝広さんは明かす。90〜95年途中まで阪神監督を務めた中村さんは、89年ドラフト5位で福岡・西日本短大付高から入団した新庄を、92年に1軍に抜てきした張本人だ。「なぜあんなにあか抜けたか? 役者もそうだと言いますが、大観衆の中で注目されるうちにスターの顔になるんですよ」と中村さん。大観衆の中で育てられた新庄は、大入り満員の中でプレーするのが大好きだ。
この日の札幌ドームもぎっしり満員。「日本シリーズでの完全燃焼」を誓っている新庄が燃えないわけはない。【深町郁子】
◇一回の3失点痛く…中日・朝倉
日本シリーズ初先発した中日・朝倉の顔からしたたり落ちる汗が止まらなかった。まさに「魔の一回」だった。
わずか9球で味方から先制点をもらっての一回のマウンド。日本ハムに大声援が送られる中、森本に投じた144キロの初球だった。痛烈に一、二塁間を破られ、右前打に。捕手・谷繁とともにバッテリーが動揺した。
田中賢の送りバントを谷繁が間に合わない二塁へ送球(記録は犠打と野選)し、無死一、二塁とピンチを広げる。横浜時代に日本一を経験している18年目のベテランの判断ミスだった。ここまで無安打の小笠原に左中間へ2点適時打、セギノールには右前打を浴びたうえ、稲葉の右犠飛で3点目を献上した。
2年前のシリーズは2試合2イニングを投げて無失点。覚えたシュートを武器に投球の幅を広げた今季は、ローテーションの一角を担い、自己最多の13勝を挙げた。「徐々に落ち着いてきている」と森バッテリーチーフコーチの言葉通り、二回以降は本来の姿を見せた。
拙攻続きの打線にも我慢強く投げ続けた朝倉。立ち上がりはシーズン中からの課題だったが、森バッテリーチーフコーチも「立ち上がりだな」と嘆いた一回の3失点となった。【武藤佳正】
○…日本シリーズ初安打が逆転の決勝2点二塁打となった日本ハム・小笠原は、ヒーローインタビューで満面の笑み。「気持ちで打ちました」。プレーオフ第2ステージ(対ソフトバンク)から日本シリーズ第2戦まで16打席無安打。普段はクールな男が、珍しく喜びを素直に表した。
1点を先制された直後の一回裏無死一、二塁で中日・朝倉の143キロ直球を左中間へ。「調子は悪いと思ってなかったので、いつか出ると思っていた」というが、ホッとしたというのが本音だろう。八回には一塁守備でもライナー性の当たりを横っ飛びで好捕。「目をつぶったら(グラブに)入ってましたね」と、いつになく冗舌だった。
○…日本ハムのルーキー、武田勝が大舞台で粘り強さを見せた。調子は万全ではなく、初回から失点する苦しい投球。しかし「『ヒットを打たれても、その後をしっかりいけばいい』と思いながら投げた」という言葉通り、四回と五回と走者を出しながらも併殺で切り抜けた。六回途中に交代するまで1失点は十分に合格点。降板時には、超満員のスタンドから大きな拍手が起きた。
○…日本ハム・稲葉が今シリーズ初打点を挙げた。一回、逆転して、なお無死一、三塁の場面で貴重な追加点となる中犠飛。1−3と有利なカウントから、低めの変化球を逆らわず打ち返した打撃に、チーム内で数少ない日本シリーズ経験者ならでは冷静さがうかがえた。「中日の投手のことは、ヤクルト時代からよく知っているしね。何より札幌の大観衆からパワーをもらっていますよ」。そして八回には、自身にとってシリーズ初本塁打となる3ラン。出場した過去3度のシリーズでは、すべて日本一になった強運の持ち主は、今シリーズの日本ハム打線で最も頼りになる男かもしれない。
○…中日の朝倉にとっては、立ち上がりすべてだった。「あの回だけ。緊張はなかったのだが……」という一回。先頭の森本に右前打を許したのが、つまずきの始まりだった。田中賢の犠打に野選が絡み無死一、二塁となり、小笠原の逆転二塁打、セギノールの右前打、稲葉の右犠飛と一気に畳み掛けられた。それでも二回以降は、シュートを多投して右打者の懐をつく持ち味を発揮。八回途中4失点で降板という数字以上に、内容のある投球だった。シリーズ初先発のマウンドを「一回に点を取られると、こうなる。でも調子は悪くなかった」と振り返った右腕に、巻き返しの機会は巡ってくるのか。
○…7番・指名打者で先発した中日の立浪が、2打席連続安打で存在感を示した。二回の第1打席で右中間を破る二塁打、四回にも遊撃手の頭を越える中前打を放った。ともに2ストライクと追い込まれてからと、19年目のベテランが日本ハム先発のルーキー・武田勝に貫禄を示した。今季は森野の成長で三塁のレギュラーから外れ、代打としてチームに貢献してきた。今シリーズ初の先発出場に、試合前の「思い切りいきたい」という意気込みを体現した。
◇第4戦の見どころ
日本ハムが一気に王手をかけられるか。カギは先発が予想される金村が握る。監督批判問題でプレーオフのベンチから外され、実戦から遠ざかっていることが気がかり。小笠原に復活の兆しが見えるだけに、打線が先取点をとって援護したいところ。中日打線は決定打不足が深刻。先発が予想される中田は好不調の波が激しいだけに、こちらも早めに援護したい。
◇第3戦の主な記録◇
▽最多併殺合計5 中日3、日本ハム2=10回目
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/pro/news/
20061025k0000m050099000c.html
日本シリーズ初の北海道での試合。もちろん勝ったのは日本ハムファイターズ!
明日は金村か。。。正直不安がないわけではないが。。。ここは一気に大手を掛ける。
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