オシムジャパンが3戦目で初黒星を喫し、首位から陥落した。高温多湿、ハード日程、さらに時差とも戦わなければならない厳しいアウエー戦。日本は少しずつペースをつかんだが、FW田中達が決定的チャンスを外すなど再三の好機を生かせなかった。逆に後半28分に一瞬のスキをつかれ失点。リードされたあともチグハグな攻撃で、16年ぶりにサウジアラビアに黒星を喫した。勝ち点6の日本は3連勝としたサウジアラビアに次ぐ2位へ後退(2位までが本大会の出場権を獲得)。
4日午前にはジッダを離れ、6日のイエメン戦に向けチャーター機でサヌアへ移動する。
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/f-sc-tp2-20060904-85156.html

■オシム監督試合直後のコメント
チャンスの数は日本の方が圧倒的に多かった。しかし、相手にはチャンスらしいチャンスもなかったのに得点を許した。日本はチャンスを得点に結び付けられなかったことが、試合の結果に結びついた。
残念ながら結果には結びつかなかったが、ガッカリなことばかりではない。選手たちは困難なコンディションの中で頑張り、クオリティーを発揮してくれた。それを調整して美しいハーモニーにするところまで行っていない段階で試合をしなければならなかった。
特に最初の15分間は、日本の若さが出た。プレッシャーを受けているわけでもないのにミスをして、パスを相手にプレゼントしてしまう。試合の中盤以降は頑張ったが、残念ながらFWの選手たちは仕事ができなかった。FWだけが悪いわけではないし、彼らは頑張ったが、結果にはつながらなかった。
コンディションがもう少し良ければ、もっと走れただろうとは思う。日本のホームでやれば走れたとは思うが、深刻なのはそういうコンディションの問題ではなく、選手たちが考えないでプレーしたことだ。チャンスを作れる機会があるのに、前へボールを蹴った。それが何度も繰り返された。まるで子どものようなプレーをしたことを恥ずかしく思っている。
私自身は満足していないが、サポーター、マスコミの皆さんには長く温かい目で見てもらいたい気持ちがある。編成されて新しいチームであり、大半の選手は若くワールドカップにも出場していない。サウジアラビアの半数の選手はワールドカップに出場、あるいはベンチ入りしている。われわれがブラジルのように最初から主導権を取るのは無理な話だ。問題はたくさんあるが日本の今後に期待してほしい。
(6日のイエメン戦に向けては)今日の試合を受けて選手のフィジカルコンディション、負傷者をチェックし、その上で微調整する。今日の試合から大きく変わることはないが、対策を考えていきたい。
・試合開始 日本ボールでキックオフ
・前半2分 サウジアラビア 中盤からアミンがドリブル突破を仕掛けるが、後方から駒野が倒しファウルで食い止める
・前半4分 日本 中盤からの三都主のスルーパスに反応し、ペナルティーエリア左へ田中達が走り込んでいくがサウジDFが体を入れて対応
・前半5分 日本 右サイドからのFK。三都主が速いボールを放り込んだが、サウジDFがヘディングクリア
・前半6分 サウジアラビア 日本陣内で日本のスローインを鋭い出足で奪い取り、左サイドからハリリが仕掛けるが、日本DFが3人で囲んで対応しクリア
・前半8分 サウジアラビア 高い位置で日本ディフェンスにプレッシャーを掛け、坪井のトラップミスを狙ってボールを奪うが、日本DFもすぐさまカバーしてクリア。左サイドからアブドゥルガニがロングスロー。ペナルティーエリアで競り合うが、こぼれ球をGK川口がキャッチ
・前半10分 日本 右サイドから遠藤を起点に細かくパスをつなぎ、ペナルティーエリアへ迫るが、サウジDFがカット。こぼれ球をつなぎ直し、左サイドから駒野が突破を図るが、これもスライディングタックルで止められる
・前半11分 サウジアラビア 個人技で右サイドを突破してクロス。エイサがゴール前でヘディングシュートを放つが、坪井が競り合ってゴール左に外れる
・前半12分 サウジアラビア センターサークル付近からボールを持ち運んだアミンが意表を突くロングシュート! しかしゴール上に外れる
・前半14分 サウジアラビア 日本陣内で巧みにボールを回し、中央にフリーのスペースを作るとハリリがミドルシュート! しかしゴール上に外れる
・前半15分 日本 左サイドの駒野がワンタッチで中央にパスを戻すと、三都主がクロス。ファーサイドに田中達がヘッドで飛び込むが届かず、ボールはそのままタッチラインを割る
・前半17分 サウジアラビア 中央からのスルーパス。アミンがペナルティーエリアへ走り込んでいくが、カバーに入った駒野がカット
・前半18分 サウジアラビア 左サイドからアブドゥルガニのロングスロー。競り合いからゴール前でボールがこぼれるが、なんとか日本DFが大きく蹴り出しクリア
・前半20分 日本 阿部のインターセプトから、田中達とのワンツーで前にボールを運び、阿部がペナルティーエリアへスルーパス。田中達が走り込むが、DFがコースを消し、GKがボールをキャッチ
・前半22分 日本 ダイレクトパスをつなぎ、左サイドへ展開し駒野がクロス。しかしペナルティーエリアでサウジDFがクリア
・前半23分 日本 闘莉王が自陣でのカットから一気に前線へボールを持ち運び、右サイドから左サイドへ展開すると、ペナルティーエリア手前から駒野が左足でシュート! しかしゴール左に外れる
・前半29分 サウジアラビア 中盤右サイドからのFK。アブドゥルガニが左足で直接シュート! ふわりとしたボールが日本ゴールへ向かうが、ゴール上に外れる
・前半30分 日本 右サイド深い位置に切り込んだ加地が切り返しから左足のクロス。ゴール前に巻が待ち構えていたが、その前にサウジDFがクリア
・前半31分 日本 左サイドでスルーパスに抜け出した三都主が低く鋭いクロス。DFに当たりコースが変わるも、田中達が胸でゴールにプッシュ。しかし、GKが好反応でセーブ。続く三都主の右CKはニアでサウジDFがクリア
・前半34分 日本 右サイドから田中達がドリブル突破を仕掛け、DF2人をかわしてペナルティーエリアへ切り込んでからパス。加地がワンタッチで中央にパスを送ると、遠藤が右足インサイドでゴール右隅を狙ったシュート! しかしGKが横っ飛びでセーブ
・前半35分 日本 三都主の左CK。ニアに巻が飛び込んだが、サウジDFがクリアし再びCKに。2本目は左CKから遠藤が高いボールを入れたが、これもクリアされる
・前半39分 サウジアラビア ペナルティーエリア手前からワンツーでアミンが飛び出し、DFをかわして角度のないところからシュートを放ったが、ゴール左へ外れる
・前半43分 日本 ペナルティーエリア手前で三都主が突破を仕掛け、こぼれたボールを田中達がフォローし、巧みなボールタッチでDFをかわしてから強烈なシュート! しかしゴール左へ外れる
・前半44分 サウジアラビア 右CKからファーサイドに高いボールを入れ、トゥカルがへディングシュート! しかしゴール左に外れる
・前半 ロスタイム表示は2分
・前半46分 日本 三都主の右CK。高いボールをニアに入れ、闘莉王が飛び込んでいったが、サウジDFがクリア
・前半46分 サウジアラビア カウンターから一気に右サイドを駆け上がり、ナイフがクロス。アルドサリがゴール前に飛び込んでヘディングシュートを狙ったが、わずかに合わず
・前半47分 日本 中盤左サイドからのスローインを受けた遠藤が、中央へ切り込んでロングシュート! しかしゴール上に外れる
・前半終了 主審のホイッスル。0−0のまま後半へ
前半総括:
立ち上がりは前線でのサウジアラビアのプレッシングが光り、日本はパスミスやトラップミスが目立つ、やや押され気味の展開。何とかサイドで勝負を仕掛けたい日本は、三都主、田中達の突破で少ないながらもチャンスを作ったが、相手GKの好守に阻まれて得点できず。逆にカウンターからゴールを脅かされる場面もあったが、最後のところで守備陣が踏ん張り、0−0で前半を終えた。
・後半開始 サウジアラビアボールでキックオフ
・後半1分 サウジアラビア アルドキが右サイドから斜めのワンツーでペナルティーエリアへ進入。ゴールライン際でクロスを折り返そうとしたが、三都主がカバー。その前にボールはラインを割る
・後半3分 サウジアラビア 日本のGK川口がパスミス。アブドゥルカニがボールを奪い、シュート! しかし川口が正面でセーブ
・後半5分 サウジアラビア 中盤のスペースが空いたところからアミンがシュート! しかし闘莉王の足に当たり、弱まったボールをGK川口が押さえる
・後半7分 日本 ゴールまで約25メートル、右45度からのFK。直接シュートと見せかけてクロスを入れ、巻がヘッドを狙うがわずかにタイミングが合わず
・後半11分 サウジアラビア 37 オマルOUT 46 ハグバニIN
・後半12分 サウジアラビア ゴールまで約25メートル、中央やや右寄りからのFK。アルドキが右足で直接シュートを放ったが、ゴール上に外れる
・後半12分 日本 加地が右サイドをドリブル突破し2人をかわしてクロス。ゴール前で遠藤がヘッドで流し、巻が飛び込むもボールがこぼれる。フォローした三都主が再び中央にパスを送り、田中達が左足でシュート! しかしDFに当たりゴール上に外れる。続く三都主の右CKは決定機に至らず
・後半13分 サウジアラビア カウンターから数的優位を作って一気に前線へボールを運び、エイサが右サイドへスルーパス。アルドサリが思い切りのよいシュートを放つが、ゴール右へ大きく外れる
・後半14分 サウジアラビア 12 ハスランOUT 27 アブドIN
・後半15分 日本 右サイド深い位置へ切り込んだ加地がクロス。ゴール中央でGKが飛び出すがファンブルし、逆サイドに詰めた三都主がシュートを放つも、ゴール上に外れる
・後半20分 日本 三都主の右CK。高いボールがゴール前に入り、巻がヘッドで飛び込んだがDFに当たりゴール右に外れる。2本目のCKはニアに低いボールを入れたが、サウジDFがクリア。逆サイドから遠藤がもう一度放り込むが、これもクリアされる
・後半21分 サウジアラビア 左サイドからアブドが中央に切り込み、ペナルティーエリア手前から右足でシュート! しかしゴール右に外れる
・後半21分 日本 38 田中達也OUT 37 佐藤寿人IN
・後半22分 サウジアラビア 左サイドからエイサがクロス。高いボールを入れ、アルドサリがゴール前で日本DFと競り合いながらヘディングシュートを放つが、当てるのが精いっぱいで、ボールはGK川口が押さえる
・後半24分 日本 前線への縦パスを佐藤がスルーし、最終ラインと併走していた三都主へとボールが渡る。三都主は強引にミドルシュート! しかしゴール右に外れる
・後半26分 サウジアラビア 19 エイサOUT 31 アルスワイリIN
・後半26分 日本 ゴールまで約30メートル、中央やや右から三都主のFK。ふわりとゴール前にボールを送り、闘莉王がヘッドで飛び込むがサウジDFがクリア
・後半27分 日本 右サイドからのスローインを起点に細かくパスを回し、鈴木がスルーパスをペナルティーエリアに送ると三都主がシュート、しかしゴール左へ外れる
・後半28分 サウジアラビア GOOOOOAL!! 中央のぽっかり空いたスペースでパスを受けたアミンが、ペナルティーエリア手前から左足のシュート! ボールは闘莉王の足に当たりゴール前にこぼれ、至近距離からアルドサリがシュート! 日本のゴールネットを揺らす。サウジアラビアが先制
・後半29分 日本 36 巻誠一郎OUT 65 我那覇和樹IN
・後半31分 日本 加地が右サイドを突破し、グラウンダーのクロス。佐藤寿がゴール前に飛び込むも、その前にサウジDFがクリア
・後半32分 日本 右サイドから遠藤がクロス。上がっていた闘莉王がヘッドでゴール前に落とし、佐藤寿が合わせるも、GKがキャッチ
・後半36分 日本 闘莉王が最終ラインの乱れを狙って裏にスルーパス。遠藤がゴール前に走り込むがわずかに間に合わず、そのままボールはラインを割る
・後半36分 日本 55 鈴木啓太OUT 51 羽生直剛IN
・後半44分 日本 ペナルティーエリア手前でボールを持った羽生がミドルシュート! しかしDFに当たりボールの勢いが弱まり、GKがキャッチ
・後半45分 日本 右サイドから加地がクロス。ゴール前で我那覇がへディングシュートを放ったが、ゴール左に外れる
・後半 ロスタイム表示は3分
・後半46分 サウジアラビア 右サイドをドリブル突破したアルスワイリがクロス。しかし坪井がダイビングヘッドでクリア
・後半48分 日本 ペナルティーエリア手前で細かくパスをつなぎ、最後は闘莉王のポストから羽生がシュート! しかしGKが横っ飛びでセーブ。続く右CKはニアでクリアされる
・試合終了 終了のホイッスル。日本、0−1でサウジアラビアに敗れる
後半総括:
後半はリズムを取り戻し、細かなパスワークと右サイドの加地の突破から何度もチャンスをつかんだ日本だったが、ぽっかりと空いた中盤のスペースを突かれ、シュートのこぼれ球を詰められて失点を喫した。体力的な衰えが隠せない中で、選手交代で打開を図り、終盤には羽生が惜しいシュートを放ったが、相手GKの好セーブに遭いゴールを奪えず。0−1のまま惜敗した。日本はこの結果、グループ首位をサウジアラビアに明け渡したが、本戦出場圏内の2位にとどまっている。日本代表はこの後イエメンに移動し、6日に第4戦となるイエメン代表との試合を行う。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/live/jpn_20060903_01.htm

結果は残念ですが、タカが1敗を喰らったくらいで一喜一憂しないんです。
全戦全勝、勝ち続けるナショナルチームなんて世界中探しても何処にもありません。
あそこをこうしていれば勝てた、ここを直してれば引き分けに持ち込めた。。。いろんなタラレバは出てくるでしょう。それを次、更に先に繋げられれば良いでしょう。
オシムジャパン発足から1ヶ月チョット。まだまだ始まったばかりです。
監督のインタビューをどうぞ。。。
■われわれは現実からスタートしなければならない
――今日は中盤でボールを取られることが多かったが、それは相手が良かったからか? それともこちらが未熟だったからか?
チャンスの数がどちらに多かったか、考えてほしい。得点ではなく、チャンスの数は、日本とサウジ、どちらに多かったと思う?
――日本の方が多かったと思う
試合の内容を表す意味で(その数字は)雄弁だ。残念ながら相手には数少ないチャンスで得点を奪われてしまったが、全体的な内容としては悪くはなかった。中盤のボールについては、試合なのでいろいろなことがある。特にサウジは中盤に人数をかけてきて、それぞれの選手もうまかった。こちら側としては左サイドに問題があった。しかし問題はそこにあったのではないと思う。最大の問題は前半15分くらいの間に、奪ったボールをすべてプレゼントしてしまったことだ。精神的なプレッシャーとか、疲れとか、そういう問題がないところで、持っているボールを簡単に相手に渡してしまった。だから私は怒った。相手がタックルを仕掛けてきたわけでもないのに、10回ボールを持ったら10回とも渡してしまうとは、どういうことか。それは今日の試合に限った話ではなく、日本のサッカーが抱えている問題だと思う。その時間帯の後は、かなり落ち着いてボールを扱えるようになった。それについては、良い部分、悪い部分、両方をとらえておく必要がある。準備に時間はかけられなかったし、サッカーは一種のオートマティズムが必要になるスポーツだ。そういったコンビネーションがないチームは、いい試合ができない。だから試合の中の部分部分では、非常にしっかりできていたとは思う。
特にオフェンスの選手の中に問題が集中していたかもしれない。それは一朝一夕で改善できる問題ではない。ある意味で選手たちが、これから学ばなければならない問題だと思う。それはネガティブなオートマティズム、必要のない癖がついていることだ。サイドでボールを持ったらすぐにセンタリングしてしまう。中に選手がいないとか、逆サイドにスペースがあるというのに、密集地帯にボールをフィードするとか、考えていないセンタリングをする。そういった問題を除いては、走ること、アグレッシブに戦うこと、そういった点は良かったと思う。だからこそ、日本の数多くのチャンスにつながったのだと思う。
結果として負けたのだから、ジャーナリストの皆さんは怒って、もっときつい質問をしていいと思う。サポーターの皆さんも(厳しくて)当然だと思う。しかしわれわれは、現実からスタートしなければならない。もし相手がブラジルだったら、ひとつの試合に負けたということで、なぜ負けたかについて延々と話してもいいだろう。しかし相手はブラジルではない。そして目指している方向、運動能力を高めようということ、サウジアラビアよりも走るということ、そういう点では勝っていたと思う。だから内容に反して結果が出なかったということ。選手たちには個々人、それぞれ言いたいことはたくさんある。しかし(彼らが)冷静に考えられるまで、待とうと思う。(Jの)試合の翌日に出発して、十分なトレーニングもできないまま、時差ぼけ、高温多湿、そういうコンディションで、しかも今日の試合には負けてしまった。選手たちにとっては、大変気の毒なことだと思う。
■今日の敗戦には、今後のための研究材料がたくさんある
――以前、敗北から得るものがあると言っていたが、今回の敗戦は若い選手に対してどのような意味を持つと思うか?
まず、負ける場合もあるということを学ばなければならない。負けること、そのものがためになるのではない。内容はこちらが良かった、しかし負けた。そこから何が学べるかということだ。そこを考える姿勢が大事だ。サウジにとっては、とにかく1−0で勝ったことが重要なので、試合の内容については明後日には忘れてもかまわない、ということになるだろう。
――最初の15分間、相手にパスをプレゼントしてしまったと言ったが、それはパスの出し手と受け手、どちらに問題があったのか?
たぶん白と青の区別がつかなかったのだろう。よくあることだ。特にこれまで対戦したことのない相手、しかもブラジルスタイルの相手と対戦するときには、そういうことが起こる。ブラジルスタイルというのは、選手が動きながら、そこにボールが来ることを予測する、そういうスタイルだ。先を読むことに慣れていない選手は、相手にパスすることになってしまう。また相手もパスのコースを予想しながらカットするように動いてくるから、注意深くプレーしないといつもカットされることになる。しかし15分以降、ずいぶん内容は改善されたと思う。改善できそうな小さな問題だろうが、もっとアグレッシブにいけばミスは少なくなるだろう。もちろんスキルの向上も必要だろうが、それは一朝一夕には難しい話だ。
――巻に何かトラブルが起きたのか?
もっと多くの問題を抱えた選手がいた。巻のプレーに問題があったわけではない。彼は大変よく動いて戦った。それは評価していいと思う。ほかの選手の足りなかった部分を補ってくれた。そういう中でゴール前でチャンスをもらっても、集中力が欠けることはあり得る話だ。彼はゴール前で待っているようなタイプのセンターFWではない。ものすごくエネルギーが必要なのだ。特に今日の試合では、相手のセンターバックが2人とも大きかったので大変だったと思う。だから巻に問題があったというよりは、中盤全体に問題があったというべきだろう。前線で、巻と田中達也が動き回ったとしても、中盤の遠藤やアレックス(三都主)や阿部や鈴木や駒野、そういった選手が前線にからんでこなければ、せっかく動いても、ただの無駄走りになってしまう。そこに問題があったのだと思う。チャンスはあったのに残念だ。もう少し落ち着いてプレーしていれば、1点、2点、3点は取れたように思う。
最初の話に戻るが、負けることも悪くない、ということはある。主導権を得て、相手よりも多く走ってチャンスを得て、それで勝ってしまっていたら、そこから学ぶものはあっただろうか。今日の敗戦には、今後のための研究材料がたくさんある。
――今日の敗戦を受けて、次のイエメン戦でメンバーを変えることは? またターンオーバーのようなことは考えているか
24人の選手を連れてきたのは、そういう意図があったからだ。疲労や不慮の負傷もあり得るし、巻も問題を抱えているそうだから(笑)。ひょっとしたらほかの選手も「実は問題を抱えている」と申し出るかもしれない。
■優れたストッパータイプの選手が不足している
――中盤の連動の問題を指摘されていたが、押し上げが全体に不足していたのは、アウエーの要素もあったのか?
一口では言えない、さまざまな要素があったと思う。中盤とは、非常に複雑なフィールドだから。ひとつには対戦相手がどういうチームか、そして自分たちがどういうプレーをしたか。それから自分たちのプレーの中で、どれだけリスクを冒したか。いろいろな角度で考える必要がある。例えばサイドについて見ても、片方は機能したけれど、もう片方は機能しなかった。右か左か、具体的には言わないが、機能しなかったサイドの選手は、経験のある選手だったので、非常に残念な誤算だった。
理想のチームが出来上がったわけではないので、不完全なままで、しかもリスクを冒していくことが、時には必要となる。あらゆるものを望んでも、それがすべて手に入るわけではない。はっきりしているのは、優れたストッパータイプの選手が不足しているということだ。背の高い、しっかりしたボールさばきができるストッパー。すぐにプレーできなくても、控えでいつでも準備ができている、そういうストッパーはいるだろうか。皆さんの方がたくさん試合を見ているだろうから、聞いてみたいものだ。
ストッパーというのは、時にリスクを冒すものだ。MFの鈴木や阿部を含めて、坪井、闘莉王、そういった選手が時にはミスを犯すわけだが、逆に攻撃にも参加してチャンスを作る。その際に大事なのは、誰がいないのかな? と味方のことを考えるのではなく、対戦相手のことを考える。今日のサウジには優れた選手がたくさんいた。その点では、向こうの方が優れていたのかもしれない。だから、選手たちに「負けたのは君たちのせいだ、走らなかったからだ」と言うつもりはない。それは不公平、フェアではない。サッカーというものは、学ぶことが多い。選手を代えて点が入るなら、私は代える。メンバー交代をしたら、次の試合に勝てるというのなら、そうするだろう。だが、誰をどう代えるべきか、それは分析しないと分からない。選手交代の時に(交代の選手が)タッチラインに立っている。誰が交代するのかなと見ていて、そこで集中力が切れる選手もいる。後から投入した選手が、疲れてベンチに引っ込んだ選手よりもひどいプレーをすることもある。
もうひとつ大事なことに、第4の審判が選手交代の時間をかけすぎたという問題もある。残念ながら今日の試合では、選手交代を待っている間に失点してしまった。Jリーグでも5試合ほど、そういうシーンを見た記憶がある。特にジェフの負けた試合で。こういうことは、連鎖反応するものだろうか。だからといって、負けたことを正当化するつもりはない。ディテールを分析するということで、お話ししているだけだ。
残り数分というところで、追いつくためにプレーを急いで、中盤で日本がキープしている。そして4人がディフェンスラインでボールを回している。闘莉王は相手ゴール前でヘディングで競る準備をしている。闘莉王の頭にボールを蹴れば、点が入るかもしれないという状況。そして審判が終了のホイッスルを吹くのを待っていたかのように、ディフェンスラインで4回も5回もパス回ししている。つまりは自己破壊をしてしまっている。しかし彼らは成人した、大人なのだ。
また最初の話に戻るが、今日は負けて本当によかったのかもしれない。ただし、負けて痛みがないわけではない。私も胸が痛むが、選手の方がもっと悔しいだろう。
(プレスオフィサーが「そろそろバスも出てしまうので。選手も待っているので」)
選手と一緒のバスには乗りたくない。歩いて帰ろうかな。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/
japan/kaiken/200609/at00010497.html
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そうですね 一喜一憂してちゃいけませんね。
「せっかくありえない時間に起床してTV観戦したのに!」とへたってしまいましたが…
気をとり直して オシム采配を長い眼で見守りたいと思います。