埼玉県ふじみ野市営プールで戸丸瑛梨香ちゃん(7)が吸水口に吸い込まれ死亡した事故で、管理責任者の自治体による点検が、合併により昨年までの毎日から、2日に1度に減っていたことが分かった。直近の点検は7月28日に行われたが異常はなかったという。県警捜査1課と東入間署は、市や委託されている管理会社の設備管理や点検状況について詳しく調べている。【山崎征克、小泉大士】
ふじみ野市は昨年10月、旧上福岡市(人口約5万6000人)と旧大井町(同4万8000人)が合併して誕生した。事故のあったプールは、合併前は旧大井町の町民プールとして使われており、当時は職員が毎日、管理会社の現場責任者からの聞き取りや全体の見回りなどの点検をしていたという。合併後は2日に1回になり、事故前は7月29、30日が土、日曜だったため、直近の点検は同28日だった。ふじみ野市は点検が減った理由を「合併で管理施設が倍増し職員の手が回らなくなった」と説明している。
また同プールでは現在、50分遊泳した後、休憩時間を10分設定し、その間に監視員らが気温や水温を中心に確認している。事故前の31日午後0時50分からの点検では、瑛梨香ちゃんが吸い込まれた吸水口の異常には気付かなかったという。
このプールは起流ポンプ3台を使用。1台当たり毎分10トンの水を吸水口から吸い込んで再びプールに排水することで水の流れを作っている。瑛梨香ちゃんは吸水口から吸い込まれ、約12メートル先の起流ポンプの手前の直径約30センチの管にはさまっていた。プールには事故当時、現場責任者と看護師、監視員15人がいたが、監視員はほとんど高校生のアルバイトだった。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/
news/20060801k0000e040044000c.html
「なぜこんなことに」
夏休み暗転、客に衝撃
ふじみ野女児死亡
夏休みの水遊びが突然、暗転した。ふじみ野市の市営大井プールで三十一日、母親らと泳ぎに来ていた小学二年の戸丸瑛梨香さん(7つ)が吸水口にのみ込まれ命を落とした。「まさか」「なぜこんなことに」。パニックに陥る客。予想もできない悲劇に、衝撃が広がった。
事故が起きたのは滑り台も設置された「流れるプール」で、たくさんの客でにぎわっていた。
「近づかないで」。吸水口のふた二枚のうち一枚が外れているのに気付いたプールサイドの監視員は、事故の直前、客に注意を呼び掛けた。
一一九番は午後一時五十分ごろ。監視員らが、瑛梨香さんがのみ込まれるのを目撃。ほかの客らに事故が伝わり、プールは騒然とした雰囲気に。
ポンプ車三台がプールの水を抜き取り、クレーンやショベルカーも使った救助活動が続いた。
午後五時十分ごろ、吸水管の取り外し作業で、継ぎ目の奥に瑛梨香さんの手がのぞいた。体を外に出すにはさらに時間がかかり、病院に運ばれたのは、すっかり日が暮れてからだった。
「人が吸い込まれた」。事故の後にプールに着いたという川越市の中学一年石河拓椰君(12)は、中から出てきた人が話しているのを聞き、驚いた。「消防車もたくさん来ていた。信じられない」
ふじみ野市の中学二年浅川真衣さん(13)は「体が吸い込まれる感覚が楽しいので、わざと吸水口に近づいて遊ぶ子もたくさんいる。でも(ふたが)外れたことなんて聞いたことがない」と動揺した様子で話した。
【共同】
吸水口で遊ぶ子多い
市営大井プールは、所沢市、入間郡三芳町などに隣接するふじみ野市大井武蔵野にある。近隣の子どもたちが利用し、親しまれているプールだった。
プールには流水、スライダー、幼児用、競泳用の四つのプールがあり、事故は深さ一メートルほどの流水プールの吸水口で起こった。
女児を救うため、プールの水を抜こうと三、四台の消防車が同時に放水をして、幾本もの水柱が上がり、辺りの空き地や道路は水浸し。畑や工場に囲まれ、ふだんは静かな付近も、ヘリコプターが八台ほど空を飛び回るなど、午後三時すぎごろから夜までは騒然とした状態だった。
昨年まで同プールの監視などの責任者を務めていたという男性(21)は「吸水口は水が吸い込まれるので、子どもたちが喜び、集まる場所の一つ。そのため監視員も重点的に注意する場所だった。吸水口にふたをする鉄製の柵も緩んだらすぐにボルトを締め直していたので、昨年までは外れているのは聞いたことがなかった」と話した。
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「学級の中心」
優しい人気者
ふじみ野市のプール事故で亡くなった所沢市立小手指小二年の戸丸瑛梨香さん(7つ)は「優しくて明るく、クラスで中心的な存在だった」という。
ベッドタウン・所沢市の住宅地にあるマンション住まい。近所に住むクラスメートの女の子(8つ)は「お互いの家を行き来してままごとをしたり、泊まりに来たこともあったのに」と悲しんだ。
成績も良く、習字を書かせたらクラスでも一番上手だったという瑛梨香さん。女の子の母親(40)は「とってもしっかり者。遊びに来ても、五時になるとわがままも言わずちゃんと帰宅した」と話した。
元気でスポーツ万能。水泳だけは苦手で、ばた足ができる程度だったという。八月一日には市内の小学生が集まる水泳の記録会があるため、三十一日の小手指小プールでは、多くの児童が練習に励んでいたという。「学校に来ていたら、よかったのに」とこの母親は悔しがった。
市の全プール使用中止へ
ふじみ野市長
ふじみ野市長は三十一日の会見で、市立小中学校と市営のすべてのプールを使用中止とすると述べた。
http://www.saitama-np.co.jp/news08/01/04x.html
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