地元住民、安堵と憤り
秋田県藤里町の小学四年畠山彩香ちゃん=当時(9つ)=が水死しているのが見つかって約百日。殺人容疑で十八日、再逮捕されたのは、事故死の疑いが強いとする警察に異議を唱え、悲劇のヒロインを演じていた母鈴香容疑者(33)だった。娘と同じ小学校の一年生米山豪憲君(7つ)の殺害へと続く連続児童殺害事件。揺れる供述の奥にある深層をえぐる捜査は続く。
「今度こそ全面解決に向かってほしい」。畠山容疑者の再逮捕に、地元住民は「やっと子供を外で遊ばせることができる」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。一方で秋田県警が当初、彩香ちゃんの死を「事故」と処理し、その後の米山豪憲君殺害事件を招いたとの見方が多く、警察へ憤りの声も多い。
畠山容疑者が彩香ちゃんを突き落としたとされる大沢橋近くに住む男性(55)は「警察が彩香ちゃんをきちんと捜査していれば豪憲君の事件は起こらなかったんじゃないか」と批判。別の住民は「警察の捜査はお粗末だ」と語気を強めた。
藤里町では、豪憲君殺害で畠山容疑者が逮捕された後も「彩香ちゃんは事故ではなく事件」とみる住民がほとんど。幼稚園に通う男児がいる女性も「彩香ちゃんのことがはっきりしないと、町の不安はなくならない」として、子供を外で遊ばせなかった。
畠山容疑者の再逮捕で、小学生の子供がいる女性は「事件の全容が大筋ではっきりしてきた。気持ちがかなり落ちついた」。五十代の男性会社員も「これでようやく安心できる」と話した。
十八日午前、畠山容疑者の自宅がある住宅地は人影もみられない。ほとんどの家の玄関に張られた「取材お断り」の張り紙が、長期化した事件による地元の疲弊を感じさせる。町内で飲食店を経営する男性(38)は「一連の事件で町がめちゃくちゃになった。許せない」と憤った。
■初動捜査「県警で検討されるべき」 国家公安委員長
畠山鈴香容疑者が自らの長女殺害も自供し、事故死との見方を強めていた秋田県警の初動捜査のあり方が問われていることについて、沓掛哲男国家公安委員長は十八日の会見で「捜査に問題がなかったかについては、県警で必要に応じ検討されるべきだ」と述べた。
同委員長は長女の死亡に関しては「秋田県警は当初から司法解剖するなど事件、事故の両面から捜査していた」と指摘。その初動捜査が適切だったかについては、「今の時点ではコメントは控えたい」と語った。
■畠山容疑者 娘殺害でも供述変転
畠山鈴香容疑者は、米山豪憲君殺害で再三にわたり供述を変遷させた。彩香ちゃんを橋から落とした方法についても「突き落とした」としたり「抱え上げて落とした」と話すなど、供述が揺れている。
「友達の家に行くと言って自宅を出たまま戻ってこない」と説明していた畠山容疑者は、調べに「一緒に橋まで行き、誤って落ちた」と供述。追及されると、自分が落としたことを認めたが、どうやって落としたかについては二転三転させているという。
六月四日に豪憲君の死体遺棄容疑で逮捕された時点で、殺害については「外出して帰宅したら、豪憲君の遺体があった」と、不自然な供述で否認。逮捕から四日後の六月八日に「首を絞めて殺した」。捜査幹部は「帰ったら死んでいた、と泣きながら否定した人が、今度は泣きながら『殺しました』。どこまで信用していいのか」と困惑の表情を浮かべた。
殺害場所でも当初、彩香ちゃんの部屋の前としたが、豪憲君が靴を脱いでいないことを裏付ける証拠を突きつけられ「玄関で殺害した」と、あっさり供述を覆した。
捜査幹部は「彼女なりに美学があり、すべてが彩香ちゃんに関連している。娘を亡くした悲劇のヒロインを演じたかったのだろう」と分析する。
衝動的で行き当たりばったりの印象が強い畠山容疑者。別の幹部は「真実と違うことを言っているのに本当のことと思い込んでしまうところがある」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/
sya/20060718/eve_____sya_____006.shtml
畠山容疑者 子煩悩と邪険、相反する二つの顔
秋田県藤里町の米山豪憲君(当時7)に続き、長女の彩香さん(同9)まで殺害した疑いがもたれている畠山鈴香容疑者(33)。母娘を知る人たちには、娘を可愛がっているように見えることもあれば、邪険に扱っているように見えることもあった。母親としての相反する二つの顔があった。
■運動会
5月14日。藤里小であった運動会に、畠山容疑者の姿があった。豪憲君も参加していた。歓声が響く中、畠山容疑者は来賓席で涙ぐんでいた。テーブルの上で彩香さんの写真を立てていた。
保護者らは奇異に感じた。それまで畠山容疑者と彩香さんの親子で、学校行事に参加する姿を見たことがなかったからだ。
■子ども嫌い?
畠山容疑者は95年に結婚。翌年に彩香さんが生まれたが、すぐに離婚した。その後は職を転々としながら、彩香さんと2人で暮らした。
「彩香が寝返りをうって自分に触れるのが嫌。肩とかに触れたら、ベッドの端に追いやる」。彩香さんが幼い頃、高校時代の同級生は畠山容疑者からこんな話を聞いて耳を疑った。
夜、コンビニで一人きりで買い物をする畠山容疑者にも出会った。「彩香は寝かせてるから」。そう言って長い間立ち話をしていたという。
■汚れた自宅
散乱するカップめんやコンビニ弁当の容器で足の踏み場もなかった――畠山容疑者の自宅を訪ねた知人たちは一様にこう語る。
小学校では、おなかをすかした彩香さんが倒れ、保健室に運ばれたこともあったという。泥のついた服を数日着ていたり、髪がよごれていたりした彩香さんを複数の住民が目撃していた。
■自慢の娘?
「これ、七五三で写したんだよ」。約4年間勤務したパチンコ店の元同僚は、畠山容疑者から一枚の写真を見せられた。化粧をしてピンクのドレスを着た彩香さんが写っていた。自慢げに見せる畠山容疑者が印象的だったという。
近所の書店では、彩香さんのために児童向けの科学雑誌を買っていた。月に一度まとめて取りに来ていた。
■タマゴを5皿
彩香さんの初七日を控えたある日。畠山容疑者は、自宅近くのすし屋に姿を見せた。喪服姿だった。持ち帰りで注文したのは「タマゴ」5皿。「(彩香さんの好物を)初七日だから、いっぱい食べさせてあげようと思った」と話した。
5月初め、行きつけの美容院では「何十分、川に入っただけでも冷たいのに彩香は22時間も入っていて痛かっただろうね」と語ったという。店員が「髪を切ったら」と勧めると、「まだ切りたくない。彩香が私の髪を触るのが好きだったから」と語ったという。
また、豪憲君の死体遺棄容疑での逮捕後、畠山容疑者は彩香さんの遺影を家族から取り寄せ、取り調べの合間に手を合わせていたという。
http://www.asahi.com/national/update/0718/TKY200607180340.html
以前、この事件に関して地元のブロガーの方から、「この地域が犯した犯罪である」との意見を頂いた。
その後、例の鈴香容疑者の卒業文集に載せられた寄せ書きを見た。
改めて上記の言葉が頭をよぎった。
殺された2人の子供のことを思うと。。。
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