国連安全保障理事会は5日午前(日本時間同日深夜)、北朝鮮のミサイル発射を受けて、緊急会合を開いた。日本の要請を受けたもので、日本は、北朝鮮の行動を非難する安保理決議の草案を同日午後の協議で提示する方針。米英などが同調する見通しだが、拒否権を持つ中国やロシアは決議には否定的な立場をとっており、採択できるかはなお流動的だ。
午前中の協議終了後、日本の大島賢三国連大使は、草案について「明確で強い非難が含まれる」と語った。日本政府による独自の制裁内容に触れたうえで「安保理でもこのような点が話し合われる可能性がある」と述べ、制裁的な要素が含まれることも示唆した。ボルトン米国連大使は「ミサイル発射を容認できないという強いシグナルを安保理は送らなければならない」と語った。
一方、中国の王光亜国連大使は「安保理によるこの問題への対応は初めてではなく、98年の先例がある」と語り、拘束力を伴わない声明が妥当だとの姿勢を示し、日米を牽制(けんせい)。ロシアのチュルキン国連大使も「制裁をだれも望んでいない。決議よりも議長声明がふさわしい」と述べ、制裁を含む決議には難色を示した。
非公開の緊急会合では、日本が事実関係を説明し、今回の発射が北朝鮮が表明している「ミサイル発射モラトリアム(凍結)」などの国際合意に違反している点に言及。議長声明よりも重みのない報道声明に終わった98年のテポドン1発射時との状況の違いを強調した模様だ。今後、北朝鮮の代表に安保理で発言を求めることも予想される。
草案は、北朝鮮の行動に対する非難に焦点を当てたものになるとみられる。経済制裁に難色を示す中国、ロシアが容認できる文面で合意できるかがカギになる。決議採択が難しい場合、全会一致で採択される議長声明による妥協を模索する可能性もある。
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ライス米国務長官は5日、北朝鮮のミサイル発射について、「6者協議はこうした問題の解決に役立つ外交的な基盤だ」と述べ、北朝鮮核問題をめぐる6者協議の枠組みで解決を目指す考えを強調した。トルコのギュル副首相兼外相との会談後、記者団に語った。
長官は北朝鮮問題は「米朝間の問題ではなく、地域の問題」とも強調。国際社会が一致して北朝鮮に強い反応を示しているとした。また、「国際社会には、北朝鮮の瀬戸際政策やミサイル開発を困難にするいくつもの手段がある」と言及。国連安全保障理事会の非難決議や金融面での締め付けなどで、北朝鮮への圧力を強化する方針を示唆した。
米国のシーファー駐日大使は5日午後、東京の米国大使館で記者会見し、今後の国連安保理における協議について「国際社会全体にかかわる非常に重大な問題だ。声を一つにして対応しなければならない」として、決議採択に向け協力を呼びかけた。
中国外務省の劉建超(リウ・チエンチャオ)・報道局長は5日夜、ミサイル発射から半日以上たってから談話を発表し、関係各者に対し「情勢を緊張させ複雑化する行動を再びとるべきではない」と呼びかけた。北朝鮮への直接的な批判は避けた。
劉局長は、「中国は、今後も関係各者とともに建設的な役割を発揮していく」と語り、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の早期再開の必要を訴えた。
韓国大統領府は5日、「対話の枠の中で強く抗議する一方、慎重で柔軟な行動をすることが必要」などとする政府の対応方針を発表した。
「北朝鮮を圧迫して緊張を醸成するのは問題解決に役に立たず、実効性にも疑問がある」と過度な圧力には否定的な姿勢を示し、対話の重要性を強調した。
一方、ロシア外務省は5日に発表した声明で「国際社会の期待を裏切り、核問題正常化の見通しを複雑にしうる行動に強い懸念を表明する」と述べた。北朝鮮の朴義春(パク・ウィチュン)駐ロ大使を外務省に呼び、抗議した。北朝鮮から事前警告は無かったという。
http://www.asahi.com/international/update/0705/022.html

7月6日付・読売社説
[「北」ミサイル発射]「国際社会への重大な挑戦だ」
日本の安全と国際社会の平和を脅かす重大な挑戦である。
北朝鮮が長距離弾道ミサイル・テポドン2を含むミサイル7発を発射した。米国の一部も射程に入るテポドン2は失敗した可能性が高いが、テポドン以外に、日本列島を射程に入れるノドン・ミサイルなども発射したという。
北朝鮮は1999年の米朝合意でミサイル発射を凍結した。その後、2003年まで凍結を延長することも約束した。02年の日朝平壌宣言では、金正日総書記は、発射凍結を03年以降も延長する意向を表明している。
【無視された日朝宣言】
ミサイル発射は、明らかに日朝平壌宣言に反する。「北東アジアの平和と安定のための共同の努力」を確認した昨年9月の6か国協議共同声明の精神をも踏みにじるものでもある。
北朝鮮が6か国協議への復帰を拒み、核兵器開発を進める中でのミサイル発射だ。ミサイルに搭載可能な核弾頭の開発に成功すれば、日本は無論、国際社会全体にとって極めて深刻な脅威となる。
ミサイル発射に、北朝鮮は、「国の自主権に属する問題で、他国に是非を問う権利はない」と居直っている。ミサイルが着弾したのは、日本漁船も多く出漁している日本海だ。無警告のミサイル発射は到底、容認できるものではない。
政府は即日、特定船舶入港禁止法を発動し、折から新潟港に入った万景峰号を半年間、入港禁止とするなどの制裁措置を決めた。北朝鮮との人的交流を制限する。ミサイルや核に関連する物資の輸出管理も厳格化する。
日本として、なしうる限りの制裁措置を発動するのは当然である。
【制裁の発動は当然だ】
北朝鮮のミサイル発射は、ドル札偽造などの不法行為に対する米国の金融制裁の解除を狙って、米国を米朝対話に引き出すための瀬戸際戦術とみられる。だが脅迫で米朝対話が実現するはずもない。カードとしたはずのテポドン2発射が失敗だったとすれば、なおさらだ。
米国の交渉拒否の姿勢は固い。北朝鮮には、さらに厳しい態度で臨むことになるのではないか。
先の日米首脳会談では、北朝鮮に自制を促すとともに、ミサイルを発射した場合は、「様々な圧力をかける」ことで合意していた。中国やロシアはミサイルを発射しないよう、北朝鮮に警告を発していた。韓国もミサイル発射は「国際社会に深刻な影響を与える」として、自制を求めていた。
こうした警告が無視された以上、各国とも北朝鮮の暴挙を放置することは出来まい。国際社会が連携し、核、ミサイルという大量破壊兵器の開発や拡散を阻止しなければならない。
北朝鮮のミサイル発射問題について、日本や米国の要請で、国連安全保障理事会が非公式協議を開始した。当面、日米両国は、北朝鮮に対する非難決議の採択を目指す。その先には制裁論議も視野に入って来るだろう。
北朝鮮に対する国際社会の“圧力”を効果的なものとする上で、気掛かりなのは、中国、ロシアや韓国の動向だ。
中国は、北朝鮮の最大の経済支援国、貿易相手国だ。6か国協議の議長国でもある。中国の役割は、極めて重要だ。
だが、中国は1998年8月のテポドン発射の際には、安保理への付託に難色を示した。今回は、中国も面子(メンツ)をつぶされた形とあって、安保理の非公式協議には加わったが、「北東アジアの政治状況を複雑化させる」として、制裁などには慎重だ。
ロシアも北朝鮮との関係が深い。北朝鮮に対し強硬措置を取ることには、中国と同様の姿勢である。
【包囲網を強化せよ】
盧武鉉大統領の下で北朝鮮に融和政策を取っている韓国も、対「北」包囲網を構築する上で、最も脆弱(ぜいじゃく)な部分となりかねない。
折しも、日本海では、韓国の海洋調査船が、日本の再三の中止要請を振り切って竹島近海の海流調査を強行した。調査海域は、日本も排他的経済水域(EEZ)と主張している係争海域だ。竹島の日本領海にも入った。
韓国の強硬姿勢は、盧大統領の「反日」政策によるものだ。
大統領の姿勢には、韓国内でも疑問視する声が少なくないようだ。韓国の有力紙は、「現実にはない日本の脅威を誇張し、実際に脅威がある北朝鮮は無条件にかばおうとする」と指摘している。
北朝鮮は今回、韓国を射程に収めるスカッド・ミサイルも発射した。真の“脅威”の所在を直視すべきではないか。韓国には、日米と結束して、対「北」包囲網の強力な一角となってもらいたい。
関係国の利害や立場が必ずしも一致しているわけではない。容易ではないが、日本も米国と協力しつつ、今後、国連安保理だけでなく、主要国首脳会議(サミット)など、あらゆる機会を通じて、国際社会の結束を固めることに全力を尽くさねばならない。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060705ig90.htm
民団団長
総連との和解『白紙化』
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と五月に合意した「和解」の共同声明について、在日本大韓民国民団(民団)の河丙〓(ハ・ビョンオク)中央本部団長は二十四日、東京で開かれた臨時中央委員会で「白紙に戻したような状態になった」と述べた。
中央委員の一部から出た白紙撤回を求める声は動議として扱わず、採決もなかったが、河団長の発言は事実上の白紙化を認めたものと受け止められている。「歴史的」とされた民団・朝鮮総連の共同声明は、民団内部の地方組織などで反発が広がり、一カ月余りで実行困難な情勢となった。
共同声明や河団長の姿勢に反発するグループは今後、団長の解任などを決議するための臨時中央大会開催を求め、代議員の署名集めなどの動きを加速させるとみられる。
この日の臨時中央委は組織内の混乱収拾策を協議するため、河団長が招集。組織の決定を経ずに共同声明に合意、混乱を招いたことについて、河団長が「こういう時期に、こういうやり方(水面下の交渉)でやったことを謝罪します」と述べた。
さらに、組織内に混乱を招いた責任を取らせて、声明合意の実務を担った副団長五人全員を辞任させる意向を示し、監察委員会が副団長一人を含む幹部三人の処分を検討することになった。
これに対し「副団長が全員辞めて、なぜ団長が辞めないのか」といった批判が相次ぎ、議事が混乱。議長が「(声明は)事実上白紙の状態なので、そのように理解してください」と異例の呼び掛けをし、続いて河団長が「白紙」発言をした。「撤回」の言葉は使わなかった。
〓は金へんに玉
http://www.tokyo-np.co.jp/
00/sya/20060625/mng_____sya_____006.shtml
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