仁義なき前哨戦だ。4日の準決勝・ドイツ代表−イタリア代表戦を前に、ピッチ外戦争が勃発した。準々決勝・ドイツ−アルゼンチン戦の終了直後に発生した乱闘騒ぎで、イタリアのテレビ局が国際サッカー連盟(FIFA)にドイツ代表MFトルステン・フリンクス(29)=ブレーメン=の暴行シーンが映ったビデオ映像を提出し、同選手は出場停止となった。国を挙げての前哨戦で不穏なムードが漂う中、キックオフを迎える。
82年スペイン大会決勝以来となるW杯での対決。ともに優勝3度でブラジルの5度に続くサッカー王国の対戦は、前哨戦からヒートアップだ。イタリアのFIFAへの“密告”が判明した。
フリンクスを出場停止に−これが、イタリアの要望だった。6月30日のドイツ−アルゼンチン戦。PK戦でドイツが勝利した後、両軍の選手とスタッフが入り乱れて蹴り合うなどした。試合後にアルゼンチン代表DFクフレ(ASローマ)が退場扱いとなったが、フリンクスも暴力行為を働いていたというのだ。
FIFAは2日に「ドイツ選手に制裁はないだろう」とジーグラー広報部長が声明を出したが、同日中に撤回。ビデオ映像でフリンクスのクフレに対する暴行を確認したとして、3日に1試合(イタリア戦)の出場停止処分を科した。
ドイツ各紙によると、ビデオのひとつをFIFAに提供したのがイタリアの有料テレビ局「イタリア・スカイ」だという。イタリア・サッカー協会が直接関与したかは不明だが、国を挙げてのアピールには違いない。
今回の逆転有罪はドイツには痛手だ。フリンクスは今大会全5戦に中盤の守備の要として出場してきただけに影響は大きい。ドイツ紙ビルトのインターネット版は「イタリアがたくらんでいるのか?」との見出しでイタリアの“チクリ疑惑”を報道。ドイツ代表・クリンスマン監督は「終わったことを蒸し返すのは残念」と不快感を示した。
ドイツVsイタリアは、仁義なき番外戦を経て決戦の時を迎える。
(須田雅弘)
★ドルトムントはドイツ不敗の地
ドイツ代表のクリンスマン監督は3日、記者会見を行い「自分たちのゲームに集中し、勝てると信じている」と語った。
会場のドルトムントはドイツが「不敗神話」を築くスタジアム。今大会1次リーグのポーランド戦にも勝ち、過去14戦で13勝1分けと不敗だ。主将のMFバラック(バイエルン)も「ドルトムントでの試合だと思うと自信が高まる」と歓迎。ピッチとスタンドが近く、収容6万7000人のホームの大歓声が大きな力になる。ただ、ドルトムントにはイタリアからの移民が5万人も在住。イタリアサポーターも数多く駆けつけるとみられ、これまで通りといくか…。

★イタリア、独に4戦不敗も警戒ゆるめず
W杯での対戦成績はイタリアが2勝2分けと無敗。今年3月1日の親善試合でも4−1で快勝しており有利にみえるが、DFカンナバーロ(ユベントス)は「今回とテストマッチは比べものにならない。あの試合は忘れないといけない」と気を引き締めた。2日の練習後には、FWデルピエロ(ユベントス)が曲芸技を見せて周囲を沸かすなどムードは上昇。最近2大会連続でホスト国に敗退しているという嫌なデータがあるが、これを一掃して3大会ぶりの決勝進出を狙う。
http://www.sanspo.com/soccer/06worldcup/news/st2006070405.html
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