車いすの生活を送る長野県の男性が今年8月、足腰の力を補助するロボットスーツを着用した友人に背負われ、スイス・イタリア国境のブライトホルン(4164メートル)登頂に挑む。ロボットスーツを利用した高山の登山は、世界でも恐らく初めての試みという。
マッターホルンとモンテローザの間に位置する山の頂を目指すのは、長野県小海町の内田清司さん(43)。1983年に交通事故で頸椎(けいつい)を損傷し、事故後3年余りに及んだ入院で精神的に追いつめられた時、ふと目にしたのが、湖面にマッターホルンが映る写真だった。「こんなきれいな所にいつか行ってみたい」。8年前にスイス行きは果たしたが、湖まではたどり着けなかった。その時、眼前にそびえていたのがブライトホルンだった。
アルプスへの思いを強めていた内田さんはある日、山海嘉之・筑波大教授(47)の研究室で開発された「ロボットスーツHAL」を報じる映像を目にした。HALは、筋肉を動かす時に生ずる電気信号を読み取って身体機能を拡張したり、増幅したりできるため、障害者や高齢者の補助や、重いものを運ぶ作業などへの応用が期待されている。
内田さんの求めで、山海さんは登山用のロボットスーツづくりに着手。内田さんから手紙を受け取ったアルピニストの野口健さん(32)も、登山隊長としてサポートすることになった。
登頂は8月4??6日のいずれかに決行。3820メートル地点から山頂を目指す。友人の理学療法士、松本武志さん(28)がロボットスーツを装着して内田さんを背負う。内田さんの仲間で、進行性の難病・筋ジストロフィーと闘う同県佐久市の高校2年、井出今日我さん(16)もそりで登る予定だ。
野口さんは「エベレストではがん患者や視覚障害者ら、いろんな登山家が仲間に支えられて山頂を目指していた。今回の挑戦が、障害者の冒険をサポートする態勢づくりの一助になれば」と話す。内田さんは「20年前には想像できなかった計画。夢の中で夢を見ているようです」と目を輝かせる。
2人をサポートするために結成された「子どもたちへ届けwith dreams登山隊」(http://with‐dreams.org)では賛同者に資金協力を呼びかけている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060403i201.htm
素晴らしい。科学の進歩がこういうところに利用されるのは、本当に素晴らしいです。
下記のサイトで募金も呼びかけられております。関心のございます方は是非
http://with-dreams.org/
ロボットスーツHALとは。。。
サイバネティクス、メカトロニクス、インフォマティクスを中心とし、脳・神経科学、行動科学、ロボット工学、IT技術、心理学、生理学、システム統合技術などが融合した新しいテクノロジー「サイバニクス」。このサイバニクス技術を駆使して開発されたロボットスーツ「HAL」は、人間と機械が一体となって人間の身体機能を拡張・増幅する“魔法の機械”とも言うべきものです。人間が運動しようとする際に生じる生体電位信号に着目し、皮膚表面で検出・処理することで、思い通りに人間の力を増幅させるロボットスーツの世界初の開発成功例となりました。
HALには、人間が思い通りに動ける「随意的制御機構」と、ロボット自らが動作する「自律制御機構」という大きな2つの機構が備わっています。言うなれば、着装した人間の運動意思に基づき、人間の思い通りに力を増幅する機能(随意的制御機構)と、人間の身体性を考慮した適応的運動パターンが生成され、ロボットとして自律的に、人間のように動作生成する機能(自律制御機構)を持っているのです。
柔軟な姿勢がとれ、大きな力で物を押すことも可能なため、重作業分野や災害レスキュー分野などでの活用が大いに期待されているHAL。やがては医療・福祉分野、エンターテインメント分野など幅広い分野での活用も見込まれ、新しいロボット技術としてその展開に熱い視線が注がれている。
また、HALの自律制御機構によって、神経信号を用いなくても自動的・自律的に動作を実行することができます。この自律制御機構には、従来とは異なる新しいロボットの動作生成論(Phase Sequence法)が組み込まれています。このロボット的自律制御機構を用いると、人間の身体性を考慮した適応的運動パターンが生成され、人間のように動作します。HALは人間の運動意思に基づいて力を増幅する機能とロボットとして自律的に動作生成する機能をもっているのです。近い将来、人間を超人に変身させることができるかもしれません」(山海教授)
社会的要請が強い研究であるため、NASAをはじめ内外のメディアにも研究成果を発信してきたという。
サイバニクスがもたらした人間と機械の一体化システム「ロボットスーツHAL」は、ついにSFの世界を現実のものとしたようだ。ロボット新世紀が、いま、始まろうとしている。
医療・福祉分野、重作業分野、災害レスキュー分野、エンターテインメント分野など幅広い分野での活用が考えられ、新しいロボット技術としてその展開に期待が寄せられている。
ロボットを操作するのではなく、ロボットスーツが、その随意的制御機構によって、人間の身体の一部として人間の思い通りに動いてくれるのだ。随意的制御機構を実現するためには、まず、人間の脳神経系とロボットを実質的に接続する技術を開発する必要があった。
http://www.nedo.go.jp/expo2005/robot/prototype/jyutaku013.html

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