社会保障財源確保の「切り札」とみられていたたばこ税引き上げが11日、一転して見送られた。麻生太郎首相は最後まで指導力を発揮できず、次期衆院選をにらみ増税を嫌う与党内の反対論に押し切られた。09年度予算編成を巡って、麻生政権の混乱がまた繰り返された。
「たばこ税はどうなるのか」。麻生首相は10日、自民党本部4階の総裁室で、党税制調査会の津島雄二会長、柳沢伯夫小委員長に切り出した。社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針を見直すには、財源の確保が必須条件。首相は明言こそしなかったが、事実上の「たばこ増税」要請だった。
柳沢氏は慎重論が強い税調の空気を伝え、「中川(昭一)財務・金融担当相からは『増税したい』と一度も聞いていませんよ」とやんわり拒否した。津島氏は「あとは首相の決断です」と歩み寄ったが、首相はそれ以上言わなかった。
自民党税調は伝統的に、税制に詳しい少数のベテラン議員による幹部会(インナー)が実権を握り、独立性が強い。党政務調査会の一機関だが、年末の税制改正論議は党三役も口出しするのが難しいとされ、税調出身でもない麻生首相の「介入」は異例だった。
だが、反対論が勝った。国内の景気悪化で09年度税制改正論議が減税一色に染まる中、たばこ税の「狙い撃ち」に与党内では反対論が拡大。約2680万人の愛煙家の反発や、自民党の支持基盤とされる葉タバコ農家への打撃は必至で、「次期衆院選をにらむ党内の増税アレルギーは想像以上」(財務省幹部)だった。日本たばこ産業(JT)も反対に動いた。
内閣支持率が急落し、首相の「威信」は低下するばかり。首相が異例の要請をした以上、官邸サイドは実現に全力を挙げなければならないところだが、「根回し役」が不在。厚生労働族でもある津島氏などは容認論に傾いてもいたが、首相が言いっ放しとあっては動きようがなかった。
税調で実権を握る町村信孝前官房長官や伊吹文明前財務相らは財政規律を重視し、たばこ増税には消極的。政治的には、派閥領袖として政権を支える立場だが、積極的な根回しもないため、「他者の口出しを許さない」という党税調の論理に従った。
財務、厚生労働両省の連携不足も目立った。「どちらがたばこ増税に責任を持つか」という縄張り意識が抜けず、中川財務相と舛添要一厚労相が決着に動く場面もなかった。
たばこ増税見送りを受け、自民党の保利耕輔、公明党の山口那津男両政調会長は代替案を協議したが、結論は出ずじまい。11日夕、首相官邸で保利氏の報告を受けた首相は「うまくいかないなあ」とつぶやき、財源を引き続き検討するよう指示するしかなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a
=20081212-00000013-maiall-pol
たばこ増税:なぜ見送り?穴埋めは?(下) 社会保障費財源、代案は不透明
「(社会保障費抑制の新たな手段を)今、与党と調整している最中だ」。与党税調がたばこ増税の見送り方針を固めた11日、首相官邸を訪れた中川財務相は声を上ずらせた。
医師不足などの社会保障政策への批判や次期衆院選をにらんだ与党の歳出圧力の高まりに、財務、厚労両省は「09年度は2200億円達成は無理」と見越し、たばこ増税の実現で抑制額を事実上、半分に圧縮するシナリオを描いていた。
財務省の試算で、たばこ1本当たり3円(1箱60円)の増税で国の増収分は1500億円となるが、同省は値上げによる販売減を勘案し税収増を1200億円と見積もり、残り1000億円分を後発医薬品の利用促進(400億〜500億円)や雇用保険の国庫負担(1600億円)の一部削減などで賄う算段を立てていた。
たばこ増税が見送られ、シナリオは土台から崩壊した。
厚労省は、厚労族議員が2200億円抑制を明記した小泉政権の「骨太の方針06」の撤回を強く主張していることもあり、新たな削減策探しには消極的だ。
一般財源化する道路特定財源から1000億円規模で社会保障に資金を回す案や、重要政策に予算を重点配分する「重要課題推進枠」(3300億円)を活用する案などが浮上しているが、「たばこ増税以上につじつま合わせ」(与党幹部)。
たばこ増税見送りが確定的となった11日午後、財務省主計局幹部は自民党本部で善後策の協議に奔走したが、代替策の見通しは立っていない。
http://mainichi.jp/select/seiji
/news/20081212mog00m010004000c.html
本日、来年度の税制改正大綱も発表されたわけだが。。。
与党税制改正大綱の要旨
与党税制改正大綱の要旨は次の通り
【2009年度税制改正】
一、3年で景気回復を最優先で実現する断固たる決意に基づき、内需刺激のため大胆かつ柔軟な減税措置を講じる。
一、住宅ローン減税の最大控除可能額を過去最大水準の600万円に引き上げる。住民税からも控除できる。 一、長期優良住宅(200年住宅)取得や省エネルギー、バリアフリーなどの改修で新たな減税措置を導入。 一、今後2年間に取得する土地について、長期所有の譲渡益に新たな特別控除を設ける。
一、登録免許税の軽減税率を据え置く。不動産取得税の特例を延長。
一、低公害車の取得・継続保有にかかる自動車重量税・取得税を3年減免。
一、省エネルギー設備投資の即時償却を可能にする税制を導入。
一、日本企業が海外で獲得した利益の国内還流のため、配当の非課税措置を導入。
一、中小企業対策として、軽減税率を22%から18%に2年下げる。欠損金の繰り戻し還付を復活、赤字企業の資金繰りを支える。
一、新たな事業承継税制を導入。
一、上場株式の配当などの軽減税率を3年延長。その廃止の際、5年間毎年100万円の少額投資の非課税措置を検討、10年度改正で措置。
一、確定拠出年金を拡充。一般生命保険料と個人年金保険料の控除限度額を4万円とし、同額の介護医療保険料控除を創設、12年から実施。
一、09年度に道路特定財源を廃止。暫定税率の在り方は税制抜本改革の際に検討し、それまで原則維持。
【税制抜本改革の全体像】
一、今後累増する社会保障費は、抑制によってのみ対応していくのは適切でない。
一、消費税を社会保障の主要な財源に充てることが合理的で適当。財源確保の道筋をつける。
一、消費税率見直しは今実施のタイミングにはない。 一、消費税を含む税制抜本改革を経済状況の好転後に速やかに実施し、10年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立。
一、必要な法制上の措置をあらかじめ講じておく。経済動向の変化に弾力的に対応。
一、個人所得課税は、格差是正や所得再分配の観点から見直す。最高税率の調整などで高所得者の負担を引き上げる。給付付き税額控除を検討。
一、法人課税は課税ベース拡大とともに実効税率引き下げを検討。
一、消費税全額が社会保障給付と少子化対策に充てられることを明確化。複数税率など低所得者の配慮を検討。
一、格差の固定化防止などの観点から相続税の適正化を検討。納税者番号制度の導入準備。
一、地方消費税の充実を検討。地方法人課税を見直し、税源偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築。
一、税制のグリーン化を推進。
http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack
/CN2008121201000742_Detail.html
このすべてが阿呆総理の下で、全部実現するとはとても思えん。。。良く、自民支持の人は「民主に政権担当能力なんてない」と言うが、自民にだってないよ、どう見ても。
来年度を迎える前に、解散。
そうじゃないと、日本中に蔓延するこの閉塞感はとても拭えん。
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