建材に使われる亜鉛めっき鋼板をめぐる価格カルテル事件で、公正取引委員会は11日、検察当局と告発問題協議会を開催し、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で、新日本製鉄子会社の日鉄住金鋼板(東京)など大手鋼板メーカー3社を検事総長に告発した。告発を受け、東京地検特捜部が同社などに対する本格捜査に乗り出すとみられる。
ほかの2社は日新製鋼(同)と淀川製鋼所(大阪)。調査前に違反を自主申告したJFE鋼板(東京)は告発が見送られた。
公取委などによると、3社の幹部社員は2006年4月から6月ごろまでの間、都内の飲食店などで会合。鉄鋼商社を通じて小口客に販売する「店売り」と呼ばれる鋼板価格について、7月出荷分から1トン当たり1万円値上げすることを取り決め、カルテルを結んだ疑いが持たれている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a
=20081111-00000050-jij-soci
日新製鋼、「脱カルテル」表明後も各社と調整
建材用亜鉛めっき鋼板の価格カルテル事件で、大手鋼板メーカー「日新製鋼」(東京)が、カルテルからの離脱を公正取引委員会に表明していたにもかかわらず、06年の値上げで鋼板各社と価格調整していたことが、関係者の話でわかった。今年1月に公取委の強制調査を受けた際、日新製鋼の担当者は「会合に参加していない」としてカルテルを否認したが、電話連絡などを取り合って調整に加わっていたという。
公取委は、日新製鋼の根深いカルテル体質を裏づける重要な事実とみている模様だ。市場規模約1千億円の亜鉛めっき鋼板の販売でカルテルを結んでいた疑いが強まったとして、公取委は日新製鋼など大手3社を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で11日に刑事告発する方針。東京地検は告発を受け、本格捜査に乗り出すものとみられる。
カルテルを結んだ疑いが持たれているのは、日新製鋼、日鉄住金鋼板(カルテル当時は日鉄鋼板と住友金属建材で後に事業統合、東京)、JFE鋼板(東京)、淀川製鋼所(大阪)。このうち、カルテルの違反を自ら情報提供した企業の処分を軽くするリーニエンシー(課徴金減免制度)を事前申請したとみられるJFE鋼板をのぞく3社が刑事告発対象とされる。
日新製鋼は03年12月、食器向けなどのステンレス鋼板で価格カルテルを結んだとして公取委から排除勧告を受けたため、再発防止策を提出した。取引先に対しても、カルテルからの離脱を表明していたという。
だが、複数の関係者によると、鋼板各社の役員や部課長級社員らが06年4〜6月、東京都内で亜鉛めっき鋼板の販売価格を協議する会合を繰り返していた際、日新製鋼側は会合に参加しなかったが、同社課長らが淀川製鋼所役員との電話連絡などを通じて、調整に加わっていたという。
この結果、「店売り」と呼ばれる板金店向けの鋼板をめぐり、同年7月出荷分から1トンあたり1万円値上げすることが合意された疑いが持たれている。「店売り」向けの鋼板の市場規模は約1千億円。
その後、公取委が今年1月、独禁法違反容疑で強制調査に乗り出した際、日新製鋼側は当初、鋼板各社の会合への不参加を理由に容疑を否認していたという。このため、公取委は、会合不参加でカルテルを隠蔽(いんぺい)しようとした疑いもあるとみている模様だ。
亜鉛めっき鋼板は、住宅の屋根や外壁などに使われる。カルテルを結んでいた鋼板各社の合計シェアは約9割。
http://www.asahi.com/national/update
/1110/TKY200811100116.html?ref=goo
鋼板カルテル:会合欠席の社に電話で値上げ連絡幅 公取委、3社告発
亜鉛メッキ鋼板の販売を巡る価格カルテル事件で、大手鋼板メーカー各社が値上げ協定を結んだ際、別のカルテルで排除勧告を受けていた1社は値上げ幅などを協議する会合に出席せず、会合終了後に電話で決定内容の連絡を受けていたことが分かった。
公正取引委員会はカルテルの全容発覚を免れる目的があったとみており11日午前、メーカー3社を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で検察当局に刑事告発した。
告発を受け、東京地検特捜部が今後、関係先の捜索や担当幹部の事情聴取などの捜査に乗り出すとみられる。
告発対象は▽新日鉄子会社の日鉄住金鋼板(東京都中央区)▽日新製鋼(千代田区)▽淀川製鋼所(大阪市)−−の3社。JFE鋼板(中央区)は公取委に最初に違反行為を自主申告したため、対象から外れた。
関係者によると、各社の営業担当幹部は06年4〜6月に会合を持ち値上げ幅や時期を協議。同年7月出荷分からの価格を1トン当たり1万円前後、一斉値上げすることを決めたとされる。会合に出席しなかった日新製鋼は、後から電話で合意内容を確認していた。同社は03年にステンレス鋼板の価格カルテルで公取委から排除勧告を受けており、再度のカルテル発覚を警戒していたという。
■解説
◇生活への影響重視して判断
亜鉛メッキ鋼板カルテルに対する今回の告発は、価格カルテルとしては業務用ラップカルテル(91年)以来17年ぶり。06年以降だけで3件を告発した入札談合に比べ、抑制的ともいえる。だが鋼板の市場規模は約1000億円と大きく、住宅の外壁などに幅広く使われており「値上げが市民生活に与える影響が極めて大きい」(公取委幹部)と判断した。
公取委は01年、ポリプロピレンを巡る価格カルテルの告発を検討したが断念。当時は強制調査権限がなく、関係資料の押収も困難で、証拠の弱さから検察側が難色を示したとされる。また入札談合は現場担当者間で密室的に仕切ることが多いが、カルテルは値上げを最終的に組織全体で決定するため、検察は一般的に担当者個人の刑事責任を追及することに慎重という。
だが、各産業分野では原油高を背景に値上げが続き、カルテルにより広がる生活へのダメージも小さくない。今回の告発は公取委の「警鐘を鳴らす」という問題意識に検察が応えた形だ。
http://mainichi.jp/select/biz/news/
20081111dde041040012000c.html
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