日本と北朝鮮で合意されていた日本人拉致被害者の「再調査」について、北朝鮮側が中国政府に「メリットがない」として拒否する考えを伝えていたことが30日、わかった。複数の日朝関係筋が明らかにした。北朝鮮の方針は中国政府を通じて日本政府にも伝えられたという。これを受け、日本政府は北朝鮮に効果的な圧力をかけるため制裁措置を見直すべく動き出した。また、外務省主導による外交ルート一辺倒だった対北朝鮮交渉の在り方を変え、新たなルートの開拓を目指す方針だ。
日朝関係筋が在京中国大使館関係者の話として明らかにしたところによると、中国政府高官は9月の福田康夫前首相の退陣表明後、北朝鮮政府高官と意見交換した席で、日本人の拉致問題の再調査を開始する考えがあるのかをただした。これに対し北朝鮮高官は「仮に調査委員会を立ち上げたところで、どんな結果になっても日本国民は納得するはずがない。結局、(北朝鮮にとって)再調査は何のメリットにもならない」と述べたという。
同高官はまた、拉致問題の再調査が合意された、6月の日朝実務者協議の日本側代表である外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長への不満も表明したが、理由は明らかにしなかったという。
再調査の合意を受けた8月の日朝実務者協議では、北朝鮮側が(1)拉致被害者に関する全面的な調査を行う(2)権限を与えられた調査委員会を設置し、可能な限り秋までに調査を終了する−ことを確認。日本側は北朝鮮が再調査に着手した時点で人的往来の禁止やチャーター航空便乗り入れの禁止という制裁措置を解除する方針を発表していた。
しかし北朝鮮側は、福田前首相が退陣表明した直後の9月4日、在北京の大使館ルートで「日本側の新政権が合意履行についてどういう考えか見極めるまで、調査委員会の立ち上げを差し控える」と通告してきた。麻生太郎首相が就任後の今月22日には、北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」が「麻生首相は政争に巻き込まれて朝日政府間合意を白紙にした」と批判、日本側の理由で再調査が行えないと主張してきた。
日本政府も今月10日の閣議で、北朝鮮籍船舶の入港全面禁止など、日本独自の制裁を半年間延長することを決めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a
=20081031-00000506-san-soci
「日本独自にテロ支援国家指定」 民主党対策本部の北制裁原案が判明
民主党の拉致問題対策本部(本部長・中井洽元法相)が、北朝鮮による日本人の拉致問題や核・弾道ミサイル問題が一向に進展しない事態を受けてまとめた「追加経済制裁案」の原案が2日、明らかになった。日本独自の「テロ支援国家指定」や在日朝鮮人の再入国禁止、北朝鮮への輸出と送金の全面禁止、国内の北朝鮮関係団体の資産凍結−など北朝鮮に対して厳しい措置を盛り込んでいる。5日の拉致対策本部役員会で協議のうえ正式決定する。
追加制裁案は中井氏の指示で対策本部の渡辺周事務局長、松原仁副本部長らがまとめた。「ヒト」「モノ」「カネ」「その他」の4分野14項目で構成しており、ほとんどが現行法の運用で実現可能なものになっている。
特徴的なのは、北朝鮮を日本が独自に「テロ支援国家」として指定するという点。米政府がテロ支援国家指定を解除したことで、北朝鮮が日本を無視する姿勢を強めていることを受け、日本として厳しい姿勢をアピールする。同時に、北朝鮮当局職員の身分を持つ在日朝鮮人に限っている「再入国禁止措置」の対象を大幅に拡大する。
また、ミサイルや大量破壊兵器計画に関するケースにのみ実施している金融に関する制裁措置を、(1)北朝鮮および関連金融機関・口座への送金禁止(2)国内金融機関の北朝鮮および関係団体との取引禁止(3)日本国内の北朝鮮および関係団体の資産凍結−などと全面的に規制する。北朝鮮と取引する外国金融機関と日本金融機関との取引も禁止し、北朝鮮を金融面で孤立させるのが狙いだ。
現行では大量破壊兵器・贅沢(ぜいたく)品に限っている対北輸出についても全面禁止とする。北朝鮮籍船舶だけでなく、北朝鮮がチャーターした船舶も入港禁止とする。
麻生内閣は10月10日、北朝鮮籍船舶の入港全面禁止など従来実施してきた対北制裁の半年間延長を決めている。だが民主党対策本部は「対話と圧力」に基づく対北交渉を進める上でさらに「圧力」もかけるべき時期だと判断した。
同本部関係者は「麻生内閣は追加制裁を行うべきだが、われわれの案は、次期衆院選で生まれるであろう民主党政権でも活用できる」と指摘している。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/
081102/plc0811022035003-n1.htm
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